2012年8月22日水曜日
遠い崖 8/21
アーネストサトウ.
若干19才にして英国から我が国にやってきた外交官.
と書くまでもあるまいが、彼の日記を萩原延寿が紹介した文章「遠い崖」.
小説でもなく論文でもない.
歴史書というのであろうか.
幕末を活写して面白い.
赴任するや、たちまちのうちに日本語に精通して外交の中枢に.
日記がもとだけに歩みが遅くエピソードが面白い.
偽名の西郷と船で一緒になり,後に本名の西郷と面会.
その笑いが心地良いものであったとか.
一緒にいたのがやはり偽名の龍馬だったらしいとか.
山好き.
摩耶山に登り,布引の滝を見、箱根を歩く.
子息は日本山岳会の発起人の一人だそうである.
子息と言えばあのシーボルトの子のシーボルト.
日本語を買われてサトウの同僚であったところへお父さんの死.
帰国の際、幕府の依頼を受けて通訳として使節団に同行.
休暇で帰ったはずが、そのままヨーロッパにいついて
日本の在外公館に努めたという.
とまあ,いろんなことを読み、次々と忘れつつ、
ただいま慶喜登場.
いよいよである.
夕立を待っているのに遠くに虹を見て終わり.
2012年8月14日火曜日
墓参 8/13
実父の命日は昭和20年8月24日.
戦病死.
何とも口惜しい幕切れではある.
それかあらぬかこの時期になると戦争関連の本を読み映画を見る.
映画
ひめゆりの塔(今井正)
原爆の子(新藤兼人)
戦艦大和(阿部豊)
太平洋の嵐(松林宗恵)
これらは皆とりどりにこそありしかども
今人の描く戦争映画「男たちの大和」「ローレライ」などとは明らかに一線を画す ね
本
「昭和史」(半藤一利)
「ノモンハンの夏」(〃)
「レイテ沖海戦」(〃)
半藤一利をはじめて読む.
戦犯を特定して説得力あり.
司馬遼がノモンハンを書けなかったわけにさもありなん.
「記録ミッドウェー海戦」(澤地久枝)
空母撃沈は南雲の責任、重巡三隈は山本の責任.
これまたはっきり.
「危機の20年」(E.H.カー)
リアリズムを無視してユートピアンが走った結果としての第2次大戦.
日本やドイツが戦争をおこしてもしゃあないやん とカー先生
「それでも日本人は戦争を選んだ」(加藤陽子)
しゃあないですますの と加藤先生.
「戦艦武藏」(吉村昭)
「零式戦闘機」(〃)
「けものたちは故郷をめざす」(安部公房)
「餓死した英霊たち」(藤原彰)
かなしくもけなげ、かつあわれ.
「淵田美津夫自叙伝」
ご存知真珠湾男の痛快武勇伝.
こういう風に戦争を生きた人もあるんだ.
---しんどい話の間の手に---
「神の火」(高村薫)
「宮本武蔵」(津本陽)
「ノルウェイの森」(村上春樹)
取り合えず数量に自ら拍手
これだけ一気に読めたのもヘルペスならでは.
にしても
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